デジタルアーカイブ学会設立総会 @ 東京大学
本日はデジタルアーカイブ学会設立総会 @ 東京大学。
会長には長尾真先生(京都府公立大学法人理事長、元京都大学総長)
学会ではアカデミックな検知から政策形成や基盤づくりなどを担う。
一方で、対をなすデジタルアーカイブ推進コンソーアムの会長はARTLOGUEの顧問でもある青柳正規先生(山梨県立美術館館長、元文化庁長官)。
こちらは、企業との連携や利活用の促進などを担う。
日本のデジタルアーカイブの行く末を担う方々との交流は得るものも多い。皆さん一様にこれ以上、デジタルアーカイブで海外に遅れを取れないとやる気は満々。
特に今日はIIIF(International Image Interoperability Framework)の存在を知ったことが大きい。
利活用の観点からもこれが普及すれば著作権保有者などとのコミュニケーションロスが大幅に無くなり、もっとクリエイティブに文化資産の活用が進むかもしれない。
恥ずかしながら、アート業界では未だに画像貸出の際に、「右クリック禁止」(全く意味のない)の処置なる90年代を彷彿とさせる条項が入っていたりするから、なおコミュニケーションロスが大きい。
無論、こういった学会やコンソーシアムでアート業界の人は皆無。MLA連携やGLAMといった潮流からは完全にはみ出している。
何度でも言うが、モナリザを画像で数百回見ようが、それでモナリザの価値や集客力が毀損されることはなく、むしろ価値は上がり、実物を見たいと思う人は増える。
ギャラリートークを配信するCRATORS TVでアンケートをとっても約90%の人がCRATORS TVを見た後に美術館に行きたくなったと答えている。
この2つの組織が出来たことで、世界に遅れを取っている日本のデジタルアーカイブ事情(特にアート)も少しは改善されることを願う。